- 2009/12/09
- 2009年度 “人権問題を共に考えよう”全学学習会
- 2009/11/14
- 短期大学部仏教科 自己推薦入試特別相談会
- 2009/05/28
- 2009年度 大谷学会 春季公開講演会
新入生・在学生へのメッセージ
競争原理による世の中の混迷。
今だからこそ、トータルに人間を考える視点が不可欠。
市場原理、競争原理によって、勝つか負けるかで価値が決定づけられる世の中。そのような物差しで社会を見ると、学びさえも「損か得か」でしか計ることができません。しかし、実利を求めるより「自分が自分をどう見るのか」「自分が世界とどう関わっていくのか」という自身の人間観や世界観を明らかにすることが大切なのではないでしょうか。大谷大学の学びの基盤となっている「人間学」は、まさに「自分自身の信念の確立」をめざす学問です。親鸞の思想を受けて、生きることの本質を問い、自分自身を見つめ、トータルに人間を考えるこの学びは、どのような時代においても生きる支えになる普遍性をもっています。特に現代のような、何が正しいのかがわからない時代においては、自分自身がぶれずに生きるための物差しとして、大いにその力を発揮すると信じています。
大谷大学が育むのは「人材」ではなく「人物」。
自分らしく生きることの本質を身につける。
近頃、「社会にすぐに役立つ人材を育てる」という言葉をよく耳にします。しかし「材」とは道具であり、材料。そのような「人材」を送り出して、大学として社会的な使命が果たせているのかという疑問が残ります。鉄や銅など多様な素材に同じメッキを塗り重ねていくような教育で、本当に社会に役に立つのでしょうか。大谷大学は「人材」ではなく「人物」を育てる大学です。銅は銅ですばらしい。鉄は鉄の魅力がある。それぞれの生き方を見つけていくことで一人ひとりの「人物」を磨き、どのような状況にあっても自分らしく生き抜く力を身につけていきます。ひとりの人間としてこの社会でどう生きるのか、その本質を身につけることこそが社会が求める本当の意味での「人物」なのです。
生きることを実感し、感動すること。
その大切さに気付くことが、大谷大学の学問。
私はよく「生きていることに感動できなければ人間は満足できない」と学生に話します。たとえばここにある水がH2Oだということは誰もがわかっています。しかし、実際に水を飲んで、喉の渇きが潤され、「おいしい!」と感じる、その気持ちがわからなければ、水の本質を知っていることにはなりません。生きていることに感動し、喜びをもって生きることのすばらしさをたくさん感じてほしい。そしてその感動を自分自身の生き方に反映してほしい。それが昨日 と違う自分である証になります。こうした時間が、共に生きていることの実感に繋がり、心を満たす大切なエネルギーになることを、ぜひ私たちと一緒に感じてほしいと思います。



