生涯学習講座

2014年度前期受講講座 
「父恋高野-説経『かるかや』・石童丸の物語-」ほか

2014年度前期講座受講生/梅津 敎子さん

私は以前からこの生涯学習講座を受講しています。特に沙加戸先生の講座は、出来るだけ欠かさずに受講します。元々大谷大学で国文学を学んでいましたが、その当時からも、沙加戸先生の講座は人気がありました。それは流れるような語り口、知識の豊富さ、時折挟まれる軽いジョーク、全てが相まって完成された内容のすばらしさに起因すると思います。

今でも変わりなく、いや、一層磨きがかかった先生の数々の講義を受講できる幸せ。

これは学部生であった頃にはそれほど意識していなかったことですが、先生の「語り」を聴いていると、改めて「耳で味わう文芸」の存在に気付きます。一度「語り」に乗れば、浄瑠璃でも説経節でも、単に活字を追うものよりもより良くその内容が心に響き、全体を覆う世界観までもが目の前に迫ってくるのです。特に『仮名手本忠臣蔵』の時には、受講中であるにも関わらず泣けてしまいそうになったほど。最近は自分でも意識的に小さく音読して『平家物語』を楽しんでいます。勿論、先生の語りには及びもつきませんが、より味わい深いものに感じ、今では私の一番の愛読書となりました。

私は、生涯学習講座を受講するようになって再び学生に戻ったように感じ、2年間は聴講生、その後、科目等履修生として博物館学課程を修了し、今年度から再度聴講生として若い学生さんたちに交ざって学んでいます。特にこれから2~3年は日本の中世について学びたいと思っています。そういう意味では今回の「説経『かるかや』」はタイムリーでした。でもなかなかに青色吐息、知らないことばかりです。知の海はとてつもなく広大で、次々と波が押し寄せてきます。私にとって生涯学習講座はこの大海原を行く船の1つであり、講師の先生方はナビゲーター、中でも飛び切り上等のナビゲーターである沙加戸先生の船に乗り、これからも「知る喜び」を堪能したいと思っています。