生涯学習講座

2013年度前期受講講座
「シリーズ浄土三部経を読む③『仏説阿弥陀経』」他

2013年度前期講座受講生/玉代勢 亨さん

「仏法僧と凡庸な衆生の旅人たち」

私の右手首には、アフガニスタン原産ラピスラズリの青色原石の腕輪がある(キジル千仏洞や敦煌莫高窟壁画等に残る青色)。念願促進で更に、羅漢さんの顔に見える唐梅タネを彫り抜いた数珠、そして微残香の木の数珠も。
『サンガ』(真宗大谷派東本願寺 広報誌)掲載エッセー集、『老いるについて~下町精神科医 晩年の記~』(浜田晋著・岩波書店2010年3月初版)には、…「友人、島成郎(しましげお)が死んだ。知る人ぞ知る六十年安保の全学連指導者である。…彼は私を<わが師>と呼んでいた、と聞く。青山斎場で彼の弔辞を読みながら泣いた。老いとは次々と友人に先立たれることである」…と。
(浜田晋医師は2010年末84歳で逝去)

「シリーズ浄土三部経を読む③—仏説阿弥陀経—」は先日で終了した。加来雄之教授は「教行信証」や「安楽集」引用による<仏道を医術に譬える事例>や、<浄土三部経の関係を薬に譬える事例>、のマーケティング的な説明に目を見張った。<「阿弥陀経」薬の広告>のポジショニング視点を忘れないように、今後ともこの重要資料を座右の原点として参考にしたいと思う。
この大谷大学主催・京都市後援の「生涯学習講座」は多くの人々への素晴らしい<知の還元>だと思う。私が受講する「開放セミナー」は年齢を問わず忘れていた非日常の刺激なのだと。また私には日常生活の大海に浮ぶ大量の言葉との格闘競技にも思える。

釈迦に説法で恐縮だが、仏教用語は専門用語なので、資料にはできるだけ仮名を振って欲しい。読み方が分かれば、後で広辞苑や仏教辞典、百科辞典を平仮名で引ける。忘れていた意外な意味や原意原点の発見の為にも…。

生涯学習講座「開放セミナー」を仏法僧から学ぶのは、凡庸な衆生の旅人たちが非日常の多種多様な心の安定を得る為ではないだろうか。私は縁があり東京から通う衆生の旅人。方丈人に、いつも言い聞かせている。「足ルヲ知ル」(ブッダの言葉)、「之を視れども見えず、聴けども聞こえず」(老子)。着々寸進、洋々万里。修行僧、黙々深謝。