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OTANI TALK

Advance2017

文学科 p.07


このページに掲載している情報は、取材当時(2016年度)のものです。

07:追い求める価値のあるもの

宮澤:卒論は、どうせなら1つの言葉に絞りたいかな。

大秦:例えば以前話してた助詞の「を」やってもいいんやけど、「を」だけ見ててもアカンという結論に辿り着くんです。「を」って会話では省略しがちなんですよね。使われんでもええ可哀そうな言葉なんですよ。だから「なんて気の毒な。私が助けてやろう」みたいな気持ちで研究しはじめたんですけどね。なくても意味が通じるのに存在する。じゃあその必要性って何だっていうところから入ったんです。そのうちにだいたい「を」の働きがわかった。まぁ、辞書をひいたらそんなことは載ってるんですけど、それを実感できるという意味で、理解した。その上で今思ってるのは、「に」が一番厄介なんや。

大秦先生

「に」は冷たい。「私はお前にわかってもらえんでもええわ」って、思春期の子どもみたいな存在なんですよ。「を」と「に」っていうのは一緒に使われることが多いので、両方相まって考えてやらんといかん。つまり「を」は「に」との関係性の中からとらえていくことが必要なんです。だから「を」を取りあげようとしたら、この「に」が厄介なんですよ。「に」やるか?

宮澤:「を」で説明できないところに「に」が入ってくると、わけがわからないですよ。

大秦:「に」がどうして厄介かっていうと、「電車に乗る」っていうときの「に」と、「きれいに咲く」っていう状態を表している「に」は、なぜ同じ「に」という形が選び取られているのか。ごく基本的な学校文法で解析すると、「電車に乗る」の「電車に」は連用修飾。「きれいに咲く」の「きれいに」も連用修飾。全く同じ働きになってしまう。ということは両者の扱いには何かの共通性があるんじゃないかと。こうなると、助詞の「に」と形容動詞の語尾の「に」には何らかの共通性があると。「に」はいろんな「に」がある。この「に」をどう扱うか。だから「を」も、わかったような気がしてるけど、わかってないんです。「に」がわかってないから。そういう風につながっているんでしょうね。勉強した先に終わりはないってのは多分そういうこと。一つ解決したと思ったら次の課題が見えてくるんでしょうね。

宮澤さん

宮澤:やればやるだけ不安になるテスト勉強みたい(笑)。

大秦:もしかしたら厳密な使い分けがあるかもしれないのに、誰もルールなんて考えずに当たり前に使えてる。その不思議さっていうのは、追い求めていく価値のあるものやと思います。



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