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OTANI TALK

Advance2017

文学科 p.03


このページに掲載している情報は、取材当時(2016年度)のものです。

03:現代の文法の礎となる本を読む

大秦:ゼミはどうですか?僕のゼミでやるのは、文章そのものについてどう分析していくかっていう話で、明らかに一般的な文学研究とは隔絶した世界に入っていくので、本来王道として進むべき文学研究については各自できちんと学ぶように、って最初に言うたよね。僕自身は毎回楽しくやってますけど。

宮澤:先生、楽しそうですよね。

対談の様子

大秦:私1人楽しんで我が道を行く状態になってますが、みんなも苦労しながらも投げ出さないで取り組んでくれてるので良かったなと。私自身も投げ出したくなるような気持ちになる時もありますけど。今読んでる『あゆひ抄』はいかがですか?

宮澤:何を言っているのかがさっぱりわからなくて。「例えば」って出てくるけど、その例えもわからなくて。わかりやすく例え話を出してると思うんですけど、「この例えでわかるか?」っていうのはあります。

大秦:そもそも『あゆひ抄』というのは、江戸時代の文法書なんですよね。国文学を学べる大学は日本中にたくさんありますが、『あゆひ抄』を読んでる人は少ないと思う。「師言はく、名をもて 物をことわり、装(よそひ)をもて 事をさだめ、挿頭(かざし)・脚結(あゆひ)をもて ことばをたすく。この四つの位は、はじめひとつの言霊なり」。この有名な文から始まる。いきなり言霊とか言い出すので怪しげにも見えるんですけど、実はきちっと意味があって、働きや場合によって言語が変化し、収まるべきところに分かれていることを、とうとうと述べている。現代の名詞とか動詞とか、品詞名がない時代の話で、勝手に名前をつけているから非常にややこしい。その言葉自体が、わけわからんってなるところなんです。でもそこが、食い込んでいくべきところでもありますよね。

宮澤:難しいけど、何となく現代の文法の礎にはなってるかなって思います。

大秦:いいこと言った!私も教えた甲斐があるというものですわ。言葉の中に変化するものがあるとか、時代が経つと言葉が変わっていくとか、理解していても、意識的にそのことを考えて本にするというのは、かなり画期的なことなんです。『あゆひ抄』は富士谷成章という人が書いたんだけど、この本をふまえて、近代的な文法体系が作られていくわけよ。江戸時代の人はどう考えとったかっていうことがはっきり書かれているのは良いですよね。彼が言葉についてどう考えていたかという言語観があるもんね。

大秦先生

宮澤:資格の勉強をやってるときに、中学や高校で習った文法を見返す機会が多いんですけど、すんなりと理解できてて。昔はなんで間違えてるのかもわからないようなレベルだったのに、今は「これはこのこと指してるんだな」って、自分で理解できるんですよ。『あゆひ抄』を読んでいるおかげかもしれないです。

大秦:ゼミの時間、結構ややこしい言葉使いとか出てきてみんなしんどそうな顔してるときもあるので、こんなテキスト使って悪かったかなって思う時もあるんやけど、今の話を聞いて少し安心しました。



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