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OTANI TALK

2017

国際文化学科 p.08


このページに掲載している情報は、取材当時(2016年度)のものです。

08:アジアの一員として異文化に触れる

木村:先生はどんなことを研究していますか?

李:中国の現代文学です。その中でも、植民地文学というちょっと変わった領域です。中国の東北部に、満洲国という幻の国があったんです。日本人の軍事力によって作られた傀儡政権ですね。1945年、日本の敗戦に伴って消滅したんですけど、この満洲国が存在した14年の間に発生した文学を研究しています。

木村:なんでそういう研究を始めたんですか?

李:大学で日本文学を専攻していて、博士課程のときに、日本の記者が書いた従軍日記を研究していました。私が満洲国の文学をやりだした頃は、まだタブーになっていることも多くて。日本人は加害者だからあまり触れたくないし、中国にとっても日本に占領された特殊な地域ですから、そういう痛いところにはあえて触ろうとしないというのが当時の状況で。私の場合はそこに触れることで、これまで知らなかった事実が文学作品を通じてわかるようになったんです。戦争の苦難の中で、満洲国にいた中国人や日本人、朝鮮人、ロシア人がそれぞれどのように描かれていたか。あえて触ろうとしない、語ろうとしない状況というのは何なのか。よりたくさんの事実を知るようになって、あの国の実態がだいぶ見えてきたような気がします。まだまだ勉強不足ですけど、楽しいですよ。

李先生

満洲って言うと、気分的に悪く思う人もいるんです。だから中国東北地方の協定校に学生を連れていくときには神経を使うんですよ。反日感情があるから学生たちは嫌な思いをさせられるんじゃないかって。でもある日、すごくきれいな日本語を使うおじいちゃんが寄って来て、満洲国時代に日本語を勉強したと。「〜であります」とか、ちょっと古い言葉を言ったりするけど、すごく懐かしそうに話してくれました。だから満洲に関わった人もすべてが反日ではないんですよ。

対談の様子

木村:歴史も面白いですよね。

李:中国の近現代史は、日本なしでは語れないんですよ。国際文化学科では欧米のこともアジアのことも勉強できますけど、自分がアジアの一員であるという認識はしっかり教えていきたいですね。その中で日本はどういう役割を果たすべきか。異文化の勉強というのは、教室の中だけではなく、外に出て見てみることが大切ですから、学生さんには、心を広くして、国際的な視野をもって異文化に触れてもらいたいと思っています。木村君も頑張ってくださいね。期待しています。

PROFILE

  • 李  青(Li Qing)国際文化学科 教授

    李  青(Li Qing)国際文化学科 教授 北京生まれ。首都師範大学卒。立命館大学文学研究科博士後期課程単位取得退学。文学修士。1993年大谷大学文学部着任。
    1932〜1945年に中国東北部に存在していた「満洲国」に発生した文学は中国では東北淪陥期文学という。中国人文芸団体を中心とする文芸活動を追いながら、被占領下に置かれた中国人作家の心象風景、文学の有様を明らかにしている。また、近年は“満鉄図書館”の館報を中心に日本人文人たちの活躍を研究したり、満州国国軍の実態にも着目している。なお、中国文化の他に、東アジア地域の華人社会を視野に入れて、アジアの中の中国、華人社会にも目を向けている。

    (国際文化学科)李 青 教授の紹介ページはこちら ≫
  • 木村 健一郎(Kimura, Kenichiro)国際文化学科 2016年4月入学

    木村 健一郎(Kimura, Kenichiro)国際文化学科 2016年4月入学 玉川高校(滋賀県)卒業。
    いろいろな国を周って世界を知り、将来は海外ボランティアの仕事をしたいと希望している。当初は大学に進学するつもりはなかったが、オープンキャンパスに参加して、留学制度が整っていたため一般入試を受験。
    留学生と交流して語学力のなさに落ち込み、旅をして己の無知を思い知ってもなお、経験を積みたいと日々次の旅の計画を練っている。まずは大学の手厚いプログラムを活用して語学力を鍛えることを目標にして、夢に向かってまっすぐに進んでいる。

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