2015
歴史学科 p.01

「信長が天下を統一していたら今の日本はどうなっていたか」というテーマに関心を持って歴史学科に入学してきた杉原さんは、「特定の知識を深める前に見聞を広めることが大切」と説く先生の話に触れ、面白いと思ったことはもっと知ろうとする姿勢が必要だと学びます。積み重ねの学問である歴史学では、どんな知識が自分の研究にヒントを与えてくれることになるかわかりません。いろいろな授業を受けて自分の幅を広げていきたいと考えています。
桂華:どんな理由で大谷大学を受験しましたか?
杉原:歴史を学びたいのと、京都に住んでみたいと思ったからです。京都は歴史的建造物や博物館や美術館が多くて魅力的で、大学選びは場所からでした。先生に京都に行きたいって言っていくつか受かりそうなところを挙げてもらって、その中から一般入試[第1期]を受験して大谷大学に入りました。
桂華:京都にどんな憧れがあったの?
杉原:私は広島の福山市出身なんですけど、小学校の修学旅行で清水寺に来たときに、本当に釘を使っていないのにどうやって作ったんだろうって不思議に思ったのがきっかけです。
桂華:その授業で歴史が好きになったんですか?
杉原:私は小学生の頃から祖父と一緒に毎日『水戸黄門』を観ていたので、多分歴史好きはそのせいです(笑)。清水寺のような歴史的建造物を見るのも好きですけど、建築を調べるより人物について知る方が楽しいですね。
桂華:好きな時代とかある?
杉原:戦国から幕末です。織田信長と伊達政宗が好きです。本当に信長が天下統一をしていたら今の日本はどうなっていたかについて高校の先生にも質問をしたんですけど、それは大学に受かってから研究しろって言われました(笑)。
桂華:最近の人はわりと細かいことを決めて大学に来ますよね。僕らの頃は、どこの大学の何学科に行って何を勉強しようなんて決めてなかったよ。僕も大谷大学の卒業生なんだけど、僕は“文学部”で入ったんです。当時、今で言う学科には3年生のときに分かれたので、授業を受けていく中で専攻を決めれば良かったんですよ。学問分野を決めるというより、「あの先生が面白いからこの学科にしよう」って決め方をした人もいますよ。人との出会いが大きかったですね。
だから今の人は「幅がない」と言われるけれど、幅ができる前に選ばされているというところもあるのかな。僕らはすべての学科の授業を聞いたうえで決めることができたけど、今の人たちは会う前に決めなくてはいけないでしょ。お見合いをする前に条件を出してある程度絞ってしまうという感じかな。それでは思いがけず理系の人と会うということもないよね。ちょっと急がされているのかもしれないですね。
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