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そして、教壇へ。~彼らと教職支援センターの日々~

先生になるにはどうすればいいですか?2018

(8) 若林 結衣

児童養護施設の子どもたちとの出逢いが、現場の厳しさと教師の使命を教えてくれた。(若林 結衣)[2018年3月 教育・心理学科卒/2018年度 京都市教育委員会採用(小学校)]

若林が通った小学校には、児童養護施設で過ごす子どもたちも一緒に通っていた。「児童養護施設」と聞いて、何をイメージするだろう?ニュースやドラマと答える人が大半ではないだろうか。一般的にはまだまだ身近とは言い難く、そこで過ごす子どもたちは何か特別な目で見られる場合もある。しかし小学生当時のことを考えると、若林の身の回りには養護施設の友達がいて当たり前だったし、他の子たちと区別して見たこともなかった。「それをさせないのも、先生の役割だったんですね」。今になって思う。

心を折らず根気強い支援を続ける。子どもはしっかり応えてくれた。

その母校に、支援員のボランティアとして若林は再び通い始めた。改めて見ると、自分も座っていたはずの机や椅子がこんなにも小さかったことに驚く。ほかにも、大人の目線になって初めて見えてきたものがたくさんあった。
養護施設に通う子どもたちは家庭の事情が複雑だったり、中には虐待を受けていたケースもある。その心の傷から自分の思いに素直になれず、また相手に素直に伝えることができない。ボランティアを始めて間もなく、若林自身も「ひどいことを言われたり、暴力を振るわれたことがありましたね」。力や言葉で周りを傷つけてしまう子どもの姿にショックを受けた。「子どもにまさかそんなことを言われるなんて思ってもいなかったし、先輩やゼミの先生にも相談しました。そうしたら、『こっちが折れてしまったらそこで終わりやし、話をちゃんと聞くことを大切にしてあげて』って言ってもらって」。若林に先制パンチを放ったその5年生の子どもは、虐待を受けて養護施設に入った背景を持っていた。はじめのうちは全く聞く耳を持たず拒否されていたが、様子を見ながら少しずつ話しかけ続けるうち、徐々にこわばりが溶けていく。そしてとうとう、子どもの方から声をかけてくれるまでに信頼関係を築くことができた。「まだ心を開いていない部分はあったかもしれないけど、『一緒に図書室行こう』とか声をかけてくれて、本当にうれしかったですね。折れなくてよかったなというか。その子は6年生で転校してしまったんですが、最後には『ばいばい』って言ってくれました」。現場には、性格も育った環境も異なるいろいろな子どもがいる。それぞれの背景を知って考え、その子が成長するための支援方法を丁寧に探ることが教師の使命だと体感した経験だった。

模擬授業も練習を重ねた。

「楽しむ」スタイルで面接を攻略!お互いの大切さを教えられる教師に。

子どもとの会話のやりとりは大好きだが、採用試験では面接が鬼門だった。これまでに面接試験の経験がなく、本番のイメージが湧かない。初めて挑んだ練習では、アドバイザーの先生から「変に緊張して笑顔がつくれないこと」と「こわばって喋ってしまうクセ」を指摘されて落ち込んだ。落ち込んでばかりもいられないので、友達に見てもらい何度も何度も練習した。しっかり意識して笑顔を出す。とはいえ、作り笑いは相手に分かってしまう。たどり着いたのは「面接官の方と喋るのを楽しもう」という姿勢だ。「元面接官の方に『インタビューを受ける気持ちで受けたらいいよ』と教えてもらって、受け答えが楽しくなって」。攻略法を会得した若林に、厳しい評価だった先生も太鼓判を押したという。
「学級を持ったら、その学級の子ども全員が居心地のいい教室をつくりたい」と抱負を語る。そのために若林が取り入れたいと考えているのが「ほめ言葉のシャワー」。毎日1人ずつ順番が回ってきて、その子のよいところ、ほめたいところを帰りの会で全員が発表する活動なのだが、ほめることをルールで予め決めておくと、他の子どもはその子に注目して、よいところを探そうとするという。「こういった活動で、お互い大切な存在やなってことに気づけたらいいなと思います」。
「ほめ言葉のシャワー」も、母校で実践されているのを見て「すばらしい」と感じた。誰にとっても居心地がよく、お互い全員を大切にできる理想の学級。そういえば、若林がかつて過ごした小学校の学級と、どこかイメージが重なるようだ。

「おおたにキッズキャンパス」の様子。

学びの多かった教育実習

1人で37人の子どもを受け持つ大変さを体感する一方、常に完璧でいる必要はないことにも気づき、少し肩の力が抜けた。

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