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そして、教壇へ。~彼らと教職支援センターの日々~

先生になるにはどうすればいいですか?2018

(7) 安喜 美沙子

伝えることをためらわないために、子どもにしてあげられることは何だろう?(安喜 美沙子)[2018年3月 教育・心理学科卒/2018年度 滋賀県教育委員会採用(小学校)]

「こういう児童がいたら、あなたはどうしますか?」「更に児童がこう言ってきたら、どうしますか?」2次試験の個人面接で、安喜に容赦ない質問が浴びせられていた。必死に受け答えを続けたが、面接官から極め付きのひと言が放たれる。「教育の理想と現実について、もうちょっと考えておいてくださいね」
これは、落ちたかもしれない…。半ば呆然としつつも、自分でも不思議なほど自然と口をついて出たのは、「ありがとうございます、これから勉強します」という感謝の言葉だった。

「正解/不正解」「勝ち/負け」を恐れず、意見を深めて伝えるということ。

安喜の教育実習は、授業をつくる難しさと工夫の大切さを実感する体験だった。「私が入ったのは静かなクラスで、こっちが発問しても手が挙がらなかったり。そういう時に子どもたちの発言をどう引き出すかで、ものすごく悩みました」。なんとか挙手を促そうと「みんな良いこと書いてるよ」と伝えてみたが、効果はない。悩む安喜に、指導教諭の先生が秘策を授けてくれた。発問してから、子どもたちにはまず自分の意見や回答を書いてもらう。教師は机の間を回りながら1人ひとりの答えをチェックし、良いと思ったところに赤線を引いてゆく。子どもたちは赤線の引かれた部分を発言すればよい、というわけだ。赤線を引いてあげると「やった!」という顔になる子どもたち。うれしそうに発表する様子を見ると、こちらもうれしくなる。普段手を挙げない理由については「自分の考えが合ってるのか不安なんかな」と考えている。自分にも思い当たる節があるからだ。
採用試験に向けて、安喜が1番苦手に思っていたのは面接だった。滋賀県の集団面接は6~8人が一緒になって行う。面接官から1人ずつ直接質問を受けたり、1つのテーマについてみんなで議論するという試験だが、周りの受験者には現場経験の豊富な講師が多い。そこで、話す内容の深さや的確さに自信がなくなり、発言できなくなってしまった。「どうしても周りに圧倒されてしまって。現場経験のある講師の方の中に、学生でボランティアしかしていない私が入って、何が言えるかなって」。そんなとき教職支援センターのアドバイザーの先生に教えてもらったのは、「大切なのは議論の勝ち負けではない」ということ。円滑に話を進めながら、他の意見を聞き入れた上で、自分の意見を謙虚に深め、伝える。そんな前向きな姿勢こそが教職に求められると勇気づけられた。
そして個人面接の最後に、またも圧倒されていた安喜はこの姿勢を思い出す。自らに足りない部分を指摘してくれた面接官に対して、素直な感謝の気持ちを伝えた。正解、不正解はないが、自分の言葉を自分で引き出せた瞬間だった。

教育実習で子どもたちからもらったメッセージ。

子どものおかげで、子どものために、子どもといっしょに歩いて行ける。

昔から小さな子のお世話をするのが好きで、なんとなく「先生になるのかな」と思っていた。進路を本格的に決めたのは大学に入ってからのこと。ボランティア先の小学校でクラスに入り、学習支援を行った。そして、子どもたちが目に見えるスピードで日々成長していることに驚いた。週に1度のボランティア。会うたびにできることが増えている。縄跳びの二重跳びを全くできなかった子どもが、次の週には3回も連続して跳べるようになっている。「子どもの成長ってすごいですよね。きっと一生懸命練習して、いろんな人からコツを聞いて頑張ってそこまでいったんやろうな、って。そういった子どもの成長をサポートできる人になりたいと思ったんです」。子どもたちの存在が、安喜の背中を最後に一押しした。
サークルは児童文化研究会に所属。お寺や地域の公民館に子どもたちを呼んで、人形劇や遊びをしている。音楽科教育の市川ゼミを選んだのも、大好きな音楽を子どもたちと楽しむ方法を学ぶため。安喜の生活のどこを切り取っても、子どもの姿がある。
「みんなが『先生、先生!』って言ってきてくれるのが、すごくうれしくて!」子どもたちの話をするたび、力のある大きな瞳はひときわキラキラと輝きを増すようだった。

子どもたちからの感謝のメッセージ

実習先は母校。指導教諭も当時の安喜を知っている先生で、さまざまな助言や率直な意見をもらうことができた。

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