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そして、教壇へ。~彼らと教職支援センターの日々~

先生になるにはどうすればいいですか?2017

(7) 松本 菜緒美さん

「前」に立って、子どもたちの表情を受け止めること。先生だけに許された特別なコミュニケーション。(松本 菜緒美)[2016年3月 文学部教育・心理学科卒/2017年度 京都府教育委員会採用(小学校)]

子どもたちの顔を「前」から見る。授業中、それができるのは先生だけだ。大学生当時、ボランティアで小学校へ来ていた松本の役割は、子どもたちの「横」や「後ろ」で学習をサポートすることだった。だが今年、担任を受け持ったクラスをいざ「前」から見渡すと、その景色はあまりにも違っていた。
1年2組27人。初めて子どもたちと向かい合ったときも、自分なりに必死だったと思う。だが、先輩教師から受けた「子どもの顔を見てへん」という指摘が突き刺さる。その通りだった。さらに先輩は、「ちゃんと1人ひとりを見られるようになったら、もっと楽しくなるよ」とも。松本の胸は高鳴った。
さほど時間はかからず、それは次第に実感できるようになる。こちらが意識すれば、子どもたちの反応は変わる。大人が思いつかないようなひらめきを見せてくれる子、想像力豊かにイメージを膨らませる子…。「先生、聞いて聞いて!」「先生、分かったよ!」。子どもたちの表情から、気もちがビシビシと伝わってくるのが分かった。
「私の言いたいことが届いてる」「前回よりも真剣に考えてくれているみたいだ」「あれ? あの子は理解できてないんじゃないかな」「どんな風に発問したら、もっと分かりやすくなるんだろう」
好感触を得たり、反省をしたり。松本は言う。「ホントだ、先生って楽しい!」

不合格でも、道は続いている。生き生きとした体験を得られた講師生活。

大学4年次の採用試験では、2次試験で不合格。空き教室や教職支援センターでいつも一緒に勉強していた仲間たちが、現役で合格していく姿も間近で見た。卒業後すぐに教師になることはできなかったが、元来前向きな性格の松本。ほとんど落ち込むことは無かった。「合格した人たちって、やっぱり私から見てもすごいんですよ!私だってもちろん受かりたかった。でもここで教師への道が閉ざされたわけじゃないですしね」
2度目の挑戦では、話し方を重点的に磨いた。職場の先生方からも、面接や模擬授業についてのアドバイスや激励をいただいた。「前回は自信の無さが出てしまい、沈黙が怖くて、とにかく喋らなければと思っているうちに自分でも話の核心がズレてしまうのが分かるほどでした。今回は現場での体験談を交えて、簡潔に答えることを心がけました」
毎日クラスを見ていたおかげで、生き生きとした子どもたちのエピソードを話すことができたのが良かったのでは、と振り返る。

「おおたにキッズキャンパス」で子どもたちと調理実習

「松本学級」の名を掲げたプレート。その重みを肝に銘じ、教師になる。

松本が教師を志したのは、小学生のときだ。答案用紙にマルをつける担任の先生の姿と、その「赤ペン」に憧れたのを覚えている。全校児童50人ほどの小さな学校で、今はいくつかの小学校と合併してなくなってしまった。当然1クラスの人数も少なかったため、大人数の小学校にはこれまであまり馴染みが無かった松本。講師初日には「こんなにたくさん子どもがいるんだ、圧迫感がすごいな…」と一瞬気後れしてしまう。しかし、すぐに「色んな子がいて面白い!」と目を輝かせた。
45分間の授業の中では、集中力が続かない児童もいる。「どうしたらいいんだろう」。国語の授業では、登場人物の行動を実際に真似てみてその気もちを考えたり、積極的にグループ学習を取り入れたり。「途中で体を動かす時間を作ってあげるといいみたい。周りの先生方にも相談しながら、まだまだ模索中です」
松本が担任を務めるクラスの教室の入口を見上げると、「松本学級」というプレートが掲げられている。「ああ、ここは私のクラスなんだ」とうれしく思うと同時に、身が引き締まるのを感じた1年前。これから松本は教師として子どもたちの「前」に立ち、彼らの顔を、表情を、より一層しっかりと見続けていく。それは教師の責任であり、子どもたちとの大切なコミュニケーションであり、教室の中だからこそ築くことのできる絆でもあるのだ。

黒板上に貼り出しているクラスの目標と似顔絵

憧れの「赤ペン」

小学校の担任の先生が持っていたものとまったく同じ赤ペンを購入。ノートの添削にも力が入る。

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