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2017年度新着一覧

2017/09/13【学術研究】

真宗総合研究所東京分室主催 第3回「宗教と人間」研究会を開催

2016年4月に開所した真宗総合研究所東京分室における研究活動として、各PD研究員の個人研究のほか、東京分室長とPD研究員による共同研究「宗教的言語の受容/形成についての総合的研究—哲学的・宗教学的・人類学的視点から—」を行っています。

その研究活動の一環として、「宗教と人間」をテーマとする公開研究会を随時開催しています。第3回として8月29日(火)に臨床仏教研究所研究員・大正大学非常勤講師の吉水岳彦氏をお招きし、「伝統仏教と臨床仏教」の講題で研究会を行いました。

講師の吉水氏は、2015年に『霊芝元照の研究—宋代律僧の浄土教』(法藏館)を刊行した若手の気鋭の仏教研究者です。それと共に、「慈しみに満ちた社会をめざして」という願いのもとに設立された社会事業委員会「ひとさじの会」の事務局長として、社会支援事業にも積極的に取り組み、その中から現代の仏教者の役割というものを考えておられます。その吉水氏に、ご自身の実践を通して、現代日本社会における宗教性について、また仏教者のあり方というものについてお話をいただき、その後議論を行いました。


  • 講師の吉水岳彦氏
  • 研究会の様子

講師の吉水岳彦氏/研究会の様子

吉水氏は、まず仏教者の社会活動についての近年の状況について、2011年の東日本大震災以後に極めて注目されるようになったとしつつ、しかし「無縁社会」と呼ばれるような社会問題はそれ以前から存在しており、大震災ではそれらをクローズアップして見る視点が与えられたのだと指摘されました。

ただし、そこで求められている仏教とは何か、そこに伝統仏教は入るのか。では、日本の伝統仏教の特色とは何か。こうした問いかけのもと、吉水氏はそれを「上求菩提・下化衆生」という大乗精神に求め、より端的に「他者とのかかわりによる自己完成」と押さえられました。そして、現在「臨床仏教」として活動しているのはその再認識を促すものであり、単なる社会参加する仏教ではなく、社会の諸事象に密接にかかわり、かつ自己の内面に密接にかかわるものなのだと、そして伝統仏教と臨床仏教との目指すところは重なっているのであって、現実の苦に真っ直ぐに向き合うということが大切なのだ、とお話しいただきました。その後の質疑応答でも、様々な視点から意見が出され、非常に活発な議論が行われました。

【真宗総合研究所】

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