2011/07/22【学術研究】
2011年度 大谷大学宗教学会「大拙忌」記念公開講演会を開催
本学の元教授であり、世界的に著名な仏教学・宗教学者であった鈴木大拙先生の功績を記念する第30回「大拙忌」記念公開講演会が、7月7日に尋源講堂にて開催されました。今回は、哲学・人間学がご専門である大阪府立大学名誉教授の山田邦男氏をお招きし、「それでも人生にイエスと言う」という講題でお話しいただきました。
ご自身が翻訳したヴィクトール・フランクルの書と同じタイトルでご講演された山田氏は、フランクルが経験したナチス強制収容所体験を考えることからお話しを始められました。大切な人を亡くすような喪失体験や自らの生命も脅かされるような体験をするとき、「人間が人生の意味を問うのではなく、人間が人生から問いかけられている」という観点の転回が起こってくることを指摘した上で、フランクルはそれでもその過酷な人生を生きていく可能性をまさにその苦悩の中に見出します。また、大震災後の生をどう考えるかについて、フランクルの視点がひとつの積極的な示唆を与えてくれていることが、山田氏のご講演によって示されました。
【宗教学会】