2010/12/23【学術研究】
中国文学会学術公開講演会を開催
12月16日（木）、中国文学会恒例の学術公開講演会を開催しました。今年度は澤崎久和先生（福井大学教授）をお迎えし、本学尋源講堂にて、“白居易と「故郷」”と題して講演をしていただきました。
澤崎先生は、白居易の詩中に見られる「故郷」という語に着目し、そこから窺える彼の故郷観が如何なるものであるかということをお話し下さいました。
澤崎久和福井大学教授
白居易の故郷観とは、従来の望郷詩に見られるような「ふるさと」を思うものではなく、「心安らかであればそこが故郷である」というものであり、左遷された辺境の地にも楽しみを見出そうとするような、当時としては革新的な故郷観であったということを解説されました。また、そのような革新的な故郷観が確立された背景には、廬山の草堂生活や杭州（左遷先）での生活の影響があったということや、後世の詩人にも幅広く親しまれ、受け入れられたということなど、豊富な資料を用い、経歴を追うなどして、詳細に分かりやすくお話し下さいました。
【中国文学会】
