研究内容

社会と宗教の関係を通し奈良時代から平安時代前期の時代を浮き彫りにしたいと考えています。現在は、正倉院文書を素材に、奈良時代の写経事業などをめぐる政治史や仏教史の研究に取り組むと共に、文書の分析による律令国家の行政システム検討をも目指しています。なお、前者の研究には現存古写経との関係にも注意し、神祇や陰陽道・呪術などの問題も視野に入れています。

ゼミ紹介

大学院の仏教文化専攻と文学部の日本史コースでゼミを担当しています。大学院では正倉院文書を素材とした問題を、文学部の日本史コースでは奈良時代を中心とした日本古代史に関わる問題を主なテーマとしています。ただし受講生は、修士論文や卒業論文を執筆するにあたって、上記テーマに関わらず幅広い問題を取り扱っています。また研究旅行・史蹟踏査や博物館見学などのフィールドワークも実施しています。

主な担当授業科目

【院】仏教文化特殊研究(演習)/博物館実習/展示実習/歴史学演習/日本史学概論

所属学会

正倉院文書研究会/佛教史学会/日本史研究会/大阪歴史学会/真宗連合学会/日本宗教学会/日本印度学仏教学会/美術史学会/文化財修復学会/日本ミュージアム・マネージメント学会/日本展示学会

経歴・活動歴

経歴

兵庫県生まれ。大谷大学大学院文学研究科単位取得退学。博士(文学)。花園大学非常勤講師を経て、1991年に大谷大学専任講師。2007年大谷大学教授、現在に至る。

活動歴

真宗連合学会理事/佛教史学会評議員/正倉院文書研究会委員

主要著書・論文

単著

  • 『日本古代の写経と社会』(塙書房、2006年)

共編著

  • 『近江町史』(滋賀県近江町、1989年)
  • 『仏法東漸—仏教の典籍と美術—』(京都国立博物館・京都仏教各宗学校連合会、2015年)
  • 『新編 大蔵経-成立と展開-』(法藏館、2020年)

共著

  • 『続日本紀の世界』(思文閣出版、1999年)
  • 『古代の人物3<平城京の落日>』(清文堂出版、2005年)
  • 『仏教事典』(丸善出版、2021年)

論文

  • 「奈良末・平安初期における疫神祭祀」
  • 「法隆寺一切経と『貞元新定釈教目録』」
  • 「日本古代の写経-奈良時代を中心として-」
  • 「聖武天皇と仏教」