研究内容

近代西欧の概念である「美術」が非西欧社会でいかに受容されていったのかについて関心を持っています。一口に受容といっても、ここでは無批判的な追従を意味するのではなく、美術というシステムがいかにして当該社会に有用な形に咀嚼され汲み上げられていったのか、その過程をさしています。方法論としては日本と朝鮮(韓国)における近現代美術の比較分析を行っていますが、文化的に似ていると考えられがちな日本と朝鮮(韓国)においてさえ美術に対するアプローチのありかたはかなり異なったものとなっています。そこから翻って日本と朝鮮(韓国)における「美術」や「近代」の意味を浮き彫りにしたいと考えています。

ゼミ紹介

近代から現代にかけての朝鮮半島の文化や社会について幅広く学びます。情報の氾濫によって、わかった気になりがちな朝鮮半島の歴史や事物にたいして、先入観を捨てて接近できるような豊かな知識と判断力を養うことが、このゼミでの目標です。卒業論文のテーマは自由に選ぶことができますが、論文を書くうえで必要な資料をいかに検索し、読みこなしていくのかを学び、またそこで得た知識と疑問を論文へとつなげていく論理的思考力を鍛えあげます。

主な担当授業科目

現代朝鮮半島事情/国際文化演習/朝鮮半島の美術/韓国・朝鮮語

所属学会

美術史学会(日本)/美学会(日本)/民族芸術学会(日本)/韓国近現代美術史学会(韓国)/美術史研究会(韓国)

経歴・活動歴

京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。大韓民国弘益大学校大学院美術史学科博士課程修了(論文資格試験合格)人間・環境学修士。2005年、大谷大学文学部国際文化学科着任。

主要著書・論文

論文

  •  「日韓プロレタリア美術運動の交流について」
  •  「韓国におけるアンフォルメル旋風」
  •  「朝鮮画-伝統の創造」
  •  「朝鮮美術展覧会と朝鮮における<美術>受容」