文芸奨励賞 受賞作品

2018年度文芸奨励賞 受賞作品/テーマ『ここにある''Real''』

挨拶/大谷大学教育後援会会長 井上 正

大谷大学教育後援会文芸奨励賞は、学生支援事業の一環として本学の在学生を対象に文芸作品を募集し「言葉による表現意欲を奨励すること」を目的に、2006年度に創設された賞です。今年度のテーマは「ここにある''Real''」。このテーマのもと198編の応募がありました。

50文字以内という制限がある中で、現代という時代を背景にして感じていることや、便利で手軽なSNS等のツールをとおして感じること、親元を離れて一人暮らしを始めた中での実感、それまでの自分の中にはなかった体験を表現されたもの、漠然とした感覚や、不安や悲しみなど、様々に表現をしてくださいました。表現方法も、他人に呼びかけるもの、自分に語りかけるもの、身からあふれ出るようなものなど色々でありました。
Realを感じるところは、時間、空間、人間関係等々、様々にあることを私自身も考えさせられた機会となりました。

今後も新たな出会いが展かれることを念じています。

講評/大谷大学学生部長 浅若 裕彦

大谷大学は、2018年4月から社会学部、教育学部が加わり、新たな体制でスタートを切りました。それにあわせて大学を象徴する新しいメッセージとして発表されたのが「Be Real 寄り添う知性」です。今年度の文芸奨励賞のテーマは、このメッセージを受けて「ここにある″Real″」としました。このテーマには、自分の身の周りにある「Real」に目を向け、自分自身を見つめなおし、そこから得られる新たな気付きを表現してもらいたいという願いが込められています。

今回の応募総数は198篇でした。4人の選考委員で相談し、この中から最優秀賞1篇、優秀賞2篇、佳作13篇を選びました。選考会では、それぞれの作品に込められた想いをくみ取ろうとして、委員で意見を出し合い議論しました。しかし50字以内という制限があるにもかかわらず、ほほえましいものあり、身につまされるものあり、感心させられるものありと、大変バラエティーに富んだ個性豊かな作品が寄せられたため、選考はなかなか困難でした。でもこのように委員を悩ます作品が集まったことは嬉しいことであります。来年度はさらに多くの方に応募していただけることを期待しております。

2018年度 受賞作品 【敬称略 50音順】

最優秀賞

鮫島 想太【短期大学部 仏教科 第2学年】

 
        一限前の教室に、
        清掃員の姿あり。
        整った環境。
        あたり前ではない。
        無量無数の思いや願いに
        我が身を澄ませ。

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優秀賞

須見 龍気【文学部 社会学科 第2学年】

 
        こんなにも白い雲があり、こんなにも空が青いということを
        初めて実感した。レー標高3500mの街にて

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藤本 真琴【文学部 社会学科 第2学年】

 
        後悔もまた人を創る要素だろう
            今何もしないで後悔しないことを後悔したくない
            なんだか殻が割れそうだ

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佳作

葦名 唯香【文学部 真宗学科 第4学年】

 
        自信を持った方がいい。
        謙虚な方がいい。
        個性的な方がいい。
        模範的な方がいい。
        どうすればいい?

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中西 健友【文学部 社会学科 第4学年】

 
        イスがある、机がある、ペンがある。
        形のないものを学ぶ場所がある。
         それを形にする自分がいる。

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高木 有里奈【文学部 社会学科 第3学年】

 
     「普通はこうするべき」

      と言いたくなるのをぐっと抑える

      少し成長した自分がそこにある。

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松本 拓【文学部 社会学科 第3学年】

 
        子どもが見ていると思えば少し誠実になれる。
        優しさの本質は教育にあるのかもしれない。

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平石 梨紗【文学部 国際文化学科 第3学年】

 
        学びたいことを学び、やりたいことに
        挑戦させてもらえる日々。
        当たり前のように見えるけれど、
        一番の幸せ。

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一岡 凌輔【文学部 教育・心理学科 第3学年】

 
        天が与えたものは

        同じではないかもしれないが

        一日の長さは同じ、

        時の使い方が

        人をかえる。

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楠 彩華【文学部 教育・心理学科 第3学年】

 
        なにをもって真実なのか、

        どこから現実なのか、

        2つの実は、さがしつづけなければ見つからない。

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西川 岳良【文学部 教育・心理学科 第3学年】

 
         苦悩から逃げるな、現実を見ろ。

         価値観にとらわれるな、真実を見ろ。

         学ぶ意味は、ここにある。

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加賀 寺顕【文学部 真宗学科 第2学年】

 
        ここにあるはずの“Real”
          知っているはずの“Real”
            気付いていない“Real”
        

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秋野 未帆【文学部 歴史学科 第2学年】

 
        Wi-Fiがつながる喜びよりも
        人とつながる喜びを味わっていたい。 

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山田 紗希【文学部 哲学科 第1学年】

 
        自分を好きになれるような

        あ、これだ、という感覚に

        素直な私でいたいから

        ぐっと飲み込み

        ひとまず学ぶ 

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藤木 ちひろ【社会学部 コミュニティデザイン学科 第1学年】

 
        カラダとジカンがたりない。

        やりたいこと やってみたいこと 知りたいこと

        身体と時間が足りない 

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石田 莉奈【教育学部 教育学科 第1学年】

 
        目に見えるものは「現実」

        見えない不変のものが「真実」

        「真実」は一つだけでも、

        「現実」は人の数だけある 

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