学術研究

2012年度特定研究/「建学の精神」教育推進研究

2012年度研究計画

研究名 特定研究 「建学の精神」教育推進研究
研究課題 大谷大学建学の精神の具現化
研究代表者 草野 顕之
研究組織 <研究員>
草野 顕之(学長・教授・日本仏教史学)
木越  康(チーフ・准教授・真宗学)
望月 謙二(教授・国語科教育)
渡辺 啓真(教授・倫理学)
福島 栄寿(准教授・日本仏教史学)
箕浦 暁雄(准教授・仏教学)
冨岡 量秀(講師・真宗学・幼児教育学)
西本 祐攝(講師・真宗学)

<研究補助員(RA)>
拝原 祥子(大谷大学大学院博士後期課程第3学年)

スクロールできます。

研究意義 ・ 目的

本研究は、「建学の精神の具現化」を課題とし、これについて具体的には以下の3つの視点から研究を推進するものである。

(1)「建学の精神」の現代的表現化
(2)「人間学Ⅰ」の共通資料集の作成
(3)「建学の精神」を活かした学科教育の在り方

ここに言う「建学の精神」とは、直接には大谷大学初代学長清沢満之による「開校の辞」(明治34年、移転開校式)と、第3代学長佐々木月樵による「大谷大学樹立の精神」(大正14年、入学者宣誓式訓辞)を指す。

研究の視点(1)では、本学が今日まで教育の根幹に据えてきた両学長の訓辞の意義を再確認し、これを現代的形で表現していくことを目指す。両訓辞は、それぞれ「私立学校令」(明治32年公布)と「大学令」(大正7年公布)における宗教教育に対する厳しい制約のもとで公開されたものである。ここでは、そのような当時の歴史的状況を加味したうえで両訓辞の持つ意義を再検証し、その精神が持つ現代的意義の確認と表現を含めた具現化の問題について、検討していくことが期待される。

視点(2)では、本学の「建学の精神」に基づく教育を最も体現する科目である「人間学Ⅰ」(文学部)あるいは「仏教と人間Ⅰ」(短期大学部)に関して、教育の基礎となる共通資料の作成に向けた検討を進める。現在同科目は、主に真宗学または仏教学を専門とする専任の教員によって、「仏教と現代」(短期大学部では「仏教と人間」の科目名)という共通テーマのもとで行われている。しかし、授業内容や到達目標などに関しては統一がとれておらず、大学共通科目としての教育の質は、担当教員の工夫と裁量に依存した形で行われている。本研究では、これまでの「人間学Ⅰ」教育の歴史を十分に踏まえたうえで、いかにして「建学の精神」を体現する科目として、教育内容を共通化できるかを、共通資料の作成を通して具体的に検討していくこととする。

視点(3)では、以上の(1)および(2)での成果を踏まえ、大谷大学の建学の精神と各学科における教育との連関について検討作業をおこなうことを目指す。現在本学では、文学部9学科、短期大学部2学科で、それぞれのカリキュラム理念を掲げた教育を行っている。今後ますます学科ごとのポリシーの明確化が進む中で、いかにして「建学の精神」との関連を保ちつつ専門教育を行うことができるのか、十分な検討が必要とされる。ここでは、各学科の教育理念を念頭に置きながら、建学の精神をどのような形で反映させることができるのか、検討を進めるものとする。

スクロールできます。