学術研究

2010年度指定研究/西蔵文献研究

2010年度研究計画

研究名 西蔵文献研究
研究課題 チベット語文献のデータベース化
研究代表者 兵藤 一夫
研究組織 <研究員>
兵藤 一夫(大谷大学文学部教授・仏教学)
福田 洋一(大谷大学文学部教授・仏教学)

<嘱託研究員>
小谷 信千代(大谷大学名誉教授)
白館 戒雲(大谷大学名誉教授)
クンガ(青海民族大学蔵学院副教授) 
Dash Shobha Rani(大谷大学非常勤講師)
宮本 浩尊(大谷大学非常勤講師)

<研究補助員>
林 哲照(大谷大学大学院博士後期課程満期退学)
渡邊 温子(大谷大学大学院博士後期課程第2学年)

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研究意義 ・目的

北京版チベット大蔵経をはじめとする本学所蔵チベット語文献は、国内有数のコレクションを誇っており、本学はもとより国内外のチベット研究を大きく支えている。本研究は、チベット研究推進のための基盤整備のため、このコレクションを専門の研究者が十分な活用できるよう、とりわけ近年収集されたものについて、その整理を通じて全体像の把握と提示をおこなう。また、重要ないし貴重と思われる文献についてはそのテキスト入力・校正・公開をおこなう。

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研究計画 ・方法

(1)大谷大学図書館所蔵チベット語文献のデータベース化、電子テキスト化
本学所蔵の稀覯本、ツァンナクパ著『量決択註』の電子テキスト化とその公開をおこなう。電子テキスト化に際しては、これまでどおり、本研究班が開発してきたOtani Unicode Tibetan Language Kitを用いる。

(2)大谷大学図書館所蔵チベット語文献の整理
図書館から提供されたチベット語文献の書誌データに対する整理・分析をおこない、全体像を把握するとともに、それらのデータを利用(とりわけ検索)する研究者の立場からそこに問題点がないかどうかを確認する。この研究には、図書館との連携が必要である。

(3)海外の研究者との交流
ブリティシュ・コロンビア大学(バンクーバー)で8月15日〜21日に開催される第12回国際チベット学会に参加し、研究発表をおこなうとともに、学術上の情報交換をおこなう。これまで電子テキスト化をおこなってきたミラレーパ伝の研究のために、当該伝記に対する研究を進めている青海民族大学蔵学院のクンガ氏を招聘し、共同で研究をおこなう。

(4)その他
適宜、内外のチベット文献学関係の研究者を招き研究会を開催する。オリッサ州SARASVATI研究所所蔵貝葉文献の研究をおこなう。

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2010年度研究成果【報告】

ダルマキールティの主著のひとつ『量決択』に対する古い注釈書である、ツァンナクパの『量決択』の電子テキスト化を完了した。本書は、本学所蔵写本が唯一の資料という貴重な資料でもある。あわせて『ミラレーパ十万歌』のテキストの校正が完了、『チベット語訳大唐西域記』、『シェン・ニマ伝』のテキストデータをWebページ上に公開した。
本学図書館所蔵『サンプ寺歴代座主記』、『目連救母経』、『入中論註』のデジタル写真撮影を行った。また、本学図書館に所蔵されているチベット語文献の検索システムについて、翻字の統一などの整理作業を実施した。